北海道には“梅雨”がない?

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突然ですが、皆さん北海道には“梅雨”がないのを知っていますか?

梅雨といえば、毎日毎日雨が降り続くので、私自身どちらかといえば嫌いな時期のひとつです。
小さな子供たちは、長靴を履いて、可愛い傘をさして“楽しい日”かもしれませんが。。。^^
主婦の皆さんにとっては、布団が干せないし、洗濯物も乾かないうえ、臭いも気になりますよね(^^;
せっかく、心地よい気温だから外へ遊びに行こうと思っても、雨が降っていたら台無しです。
つい「北海道の人はいいなぁ~」と思ってしまいます。

そもそも、なんで梅雨が起こるのか知っていますか?
梅雨は、“梅雨前線”によって起こります。梅雨前線は、日本の北の方にある“オホーツク海高気圧”と南側にある“太平洋高気圧”の丁度間にできるんです。なぜかというと、“オホーツク海高気圧”の特徴として冷たい風、“太平洋高気圧”からは反対に、温かくて湿った風が吹いてくるだそう。この2つがぶつかり合った所に“梅雨前線”誕生!!
それが上昇気流することで雨雲が発生して、たくさんの雨を降らせます。

発生した“梅雨前線”は、沖縄から九州・四国へと、どんどん範囲を広めて、皆さんを困らせます。
その年によって、時期が長かったり、梅雨なのに晴れている日が多かったり様々なのも特徴の一つですよね!

北海道には“梅雨”がないからいいなぁ~と思っていましたが、実は、また違った“雨の日々”があるんですよ~。
“梅雨前線”が、その年によっては、北海道の近くまで来ることがあって、それを「えぞ梅雨」と言います。
よって、正確に言うと“北海道には梅雨がない”ではなくて“北海道では梅雨の現象がはっきりしない”ということなんですね~。

梅雨前線が北海道に来る前に“夏”がやってくるのと、緯度が高いため、前線が道内に届かないんだそう。

なんで「えぞ梅雨」という名前なのか疑問に思ってしまいますが、北海道の旧名“蝦夷地”から来ていると言われています。
この「えぞ梅雨」は、本州などのように、長雨をもたらす事は少ないとされていますが、その年によっては、2週間程天気が悪い日が続くんだそう。2週間も続いたら梅雨同然ですよね。。。しかし、勢力も衰えているし、進む速度も速いことから私たちが経験している“梅雨”よりは、優しい雨なのかもしれません。よって、この「えぞ梅雨」と呼ばれているものは、気象庁から「梅雨」として定義されていないんだそう。全国的に梅雨シーズンでも、まだまだ肌寒い北海道に雨が降ると、より一層寒さが増して、梅雨という感じはしないでしょうね!!

雨が降っているとなぜだか気分まで“ブルー”になってしまうこの時期。早く過ぎ去ってほしいと思いますが、地球の為には“必要不可欠”な時期なのかもしれません^^

衣服で防寒の知恵

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北海道は、夏は涼しくて過ごしやすい反面、冬は厳しい寒さに包まれます。地区によっては気温が-30℃になるところもあるほど。「札幌雪まつり」や「層雲峡氷瀑まつり」など、寒い気候を利用した冬まつりが有名ですが、本州から観光に行かれる方は、どのように防寒対策をしたら良いのか戸惑われるのではないでしょうか?
今回は、冬の北海道を楽しむための防寒対策を掘り下げてみたいと思います。
まず、驚くのは北海道の人は「あまり厚着をしていない」ことです。生足にミニスカートの女子高生もいたりして、初めて見た時は卒倒しそうになりました。長年の暮らしで寒さに慣れたからだろうか?とも思いましたがどうやら違うようです。理由はズバリ「外に出ないから。」余りに寒すぎるので、基本的に外出せず暖房の効いた室内から室内へ素早く移動するから薄着のままなのだそうです。と言ってもこれでは答えになりませんね^^;
薄着に見えるのは、上着を脱いでいるからなのです。外出する際に、北海道の人は脱ぎ着のしやすいアウターを重ね着していきます。というのも、道内の屋内はどこも汗をかくほど暖房をきかせています。建物も完全防寒建築で全館集中暖房、常夏の温かさを保っています。一方屋外は例えるなら冷凍庫。寒暖の差が激しすぎるので、それを踏まえた服装が大事なのです。
下着やインナーで防寒していると屋内で汗だくになってしまい、そのまま外に出ると汗が冷えて体温が下がってしまいます。フリースや薄めのダウンジャケットなど、重ね着で体温調節できるアイテムを愛用しているようです。なかでも必須アイテムは、ウィンドブレーカーのような風をシャットアウトできる素材のもの。ニットのように目があると、風が入り込んでしまうそうです。ボトムは、ズボン下やタイツは必須。ジーンズは雪道でこけたりして水を含むと乾かずに冷えてしまうので、ナイロン素材のパンツが理想的です。手袋・帽子・マフラーの小物も、防寒と怪我防止になるので必ずつけましょう。そして、一番大事なのが靴。路面はスケートリンクのようにツルツルになっています。間違って革靴なんかで来ると滑るし足指は凍傷になるしで大変なことになります。防寒ブーツを準備していきましょう。歩き方はペンギンのように小股で少しずつが安全ですよ。
いろいろと挙げましたが、困ったら現地のデパートなどで買い足せばOKです。本場の防寒着なので機能性は折り紙付きです。気軽に冬の北海道へお出かけしましょう!

住宅の寒さ対策

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北海道の冬はとてつもなく寒い。地域によっては気温が氷点下20℃に迫るところもあります。

そんな極寒の地で暮らす北海道民は、住まいにどのような工夫をしているのでしょうか?

 今回は北海道旅行から離れて、北海道の住宅における寒さ対策を調べてみました。そのなかでは、本州に住む私たちが気付かなかった視点での工夫がいろいろとありました。私たちも真似できる、冬を快適に過ごすヒントが見つかるかもしれません。

 北海道で暮らす上で、やっかいなのが雪です。ひと晩に何mと積もることがあり、屋根には相当の重量がかかります。そのため雪を滑りやすくするため、屋根の傾斜はきつく、トタン張りです。
 しかし最近は、雪の少ない都市部では融雪装置のついたフラット型の屋根も増えています。(ちなみに瓦屋根は、寒さで凍ったり雪下ろしの際に足で踏んで壊れたりするので、道内では少数派だとか)なお、雪の重みで壊れてしまうので、雨どいは付けません。

 落ちた雪についても考慮しており、積もった雪が日光を遮らないよう家の窓を高い位置につけたり、落雪事故にならないよう隣家との距離も決められたりしています。
 玄関口のところにサンルームのような小部屋を作っているのを良く見ますが、このミニスペースは風除室・玄関フードと呼ばれ、雨風の吹き込みや、室内の温かい空気が逃げるのを防ぎます。
 積もった雪で玄関ドアが開かなくなることへの対策にもなっており、ちょっとした物置として雪かきの道具を置いている家庭もあるといいます。

 家を建てる際の基礎も、地中は深く作り、地上部分は積雪量の分高くします。一例として北見地域では、地上40cm+地下120cmで計160cmの基礎を打つということです。地下が1.2mとかなり深いですが、そうしないと冬、地中の水分が凍って霜柱のように地面を持ち上げ、家が歪んでしまうからなのだそうです。
 この現象は「凍上」と言い、初めて聞く言葉ですが、北国の建築業者には基本の用語のようです。家が持ち上がるほどの霜柱とは…「寒い」の規模が想像以上ですね。深く掘った地下部分には、外では凍結してしまう配管を置きます。屋内では地下収納スペースに活用されています。

 家の中を見てみましょう。まず、壁の断熱材は2倍、3倍と厚く入れます。窓は二重窓で、さらにペアガラス。予算がある場合はトリプルガラスにする方もいます。サッシには冷えるアルミをなるべく使わずに、断熱効果の高い樹脂や木にします。
 もちろんドアも断熱効果の高い樹脂や木の断熱ドアです。トイレやお風呂場などの水まわりは、凍って開かなくなるので窓をつけないのが通例でしたが、さきほど挙げた断熱素材の普及で最近では増えてきました。

 暖房は、「セントラルヒーティング」が主流です。これは1カ所のボイラーから各部屋に熱を送る集中暖房システムで、各部屋には熱を放射するパネルヒーターが設置されており、家中を常時21℃~23℃に暖めてくれます。灯油ストーブなどとは違い空気もクリーンなままで、火事ややけどの心配もありません。
 床暖房もセットなので、室内はかなりぽっかぽか。北海道の冬は本州よりむしろ快適だったりします。「家では半袖半パンでアイスクリームを食べてるよ」なんて軽口がたたけるのはこのような構造だったからなのですね。その代わり、灯油の消費量は半端ではありません。北海道ではお給料に「寒冷地・暖房手当」という項目があるのもその為です。

いかがでしたか?私達も取り入れられそうな工夫が随所に見られますね。ただし、北海道で開発された高断熱・高気密住宅工法をそのまま持ってくるのは慎重にしましょう。北海道には梅雨という時期がありません。梅雨がある本州では、高い湿度のため結露などの問題が発生する懸念があります。そこは、住まいの気候をよく知る地元の大工さんとよく相談するのが最終的には安心のようです。